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2007/12/29

京の眺望3 円通寺

     修学院離宮とならぶ後水尾天皇の離宮跡に建てられた円通寺は、比
     叡山を借景とした枯山水庭園で有名です。ここは、数年前まで全面的
     に撮影禁止だったそうです。(5月)

     Dsc18234a

     ところが、そばを国道が通る計画があり、周辺の土地開発でビルが
     比叡山の景色をさえぎってしまうことが予想されました。

     Dsc18231a

     そこで、後世にこの景色を残すとともに、この問題に関心を持ってもら
     うため、庭の撮影が許されるようになりました。この話を聞いてからは、
     写真を撮るときに使命感のようなものを感じたことを覚えています。

     Dsc18207a

     ところで、今年3月に京都市議会の全会一致で「京都市眺望景観創生
     条例」が可決されました。「地域の活性化」か「景観の保全」が市政の
     長年の争点になっていたことを思うと、画期的な出来事だと思います。

     Dsc18215a

     一連の新景観政策では、「建物の高さ」、「建物等のデザイン」、
     「歴史的な町並み」、「屋外広告物」とともに、「眺望景観や借景」の
     5つの柱があります。

     Dsc18216a

     眺望景観や借景の保全のためには、景観を妨げないように建物の
     高さが規制されます。保存すべき良好な眺めとして、現在のところ38
     個所の眺望空間保全地域が選定されています。

     Dsc18218a

     そのうちの庭園からの眺めとして、円通寺と渉成園(枳殻邸)があ
     がっています。お寺の住職の願いがかなうことになりました。

     Dsc18223a

     このような政策は、長い年月にわたって継続して初めて効果があるので、
     時々の政治や経済の都合で変な例外を設けたり、規制を緩和して欲しく
     ないと思います。(以下は1月)

     Dsc23068a

     最後に、一連の景観保全政策の前文から

     Dsc23073a

     50年後,100年後も光り輝く京都を目指して…
     1200年を超える悠久の歴史の中で育まれてきた京都の優れた景観
     これからも歴史を積み重ねながら新たに形成していく優れた景観
     時を超え光り輝く景観づくりを進めていきます
     京都がいつまでも京都であるために

     Dsc23071a

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     寺を出るころには雪になっていました。

     Dsc23074b       

        

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1 こだわり風景1 (2007)」カテゴリの記事

コメント

円通寺の門の左側に行ったら、やってました宅地造成。
本当にビルは建たないのでしょうか?
比叡山のてっぺんの鉄塔だって同じだよな~無残!ぶざま!
1200年の歴史を壊さないで!

投稿: tennis | 2007/12/30 18:53

★tennisさん こんにちは♪
宅地造成してましたか。不便なところなので、住むのも大変ですね。一度損なわれた景色は、もとに戻ることは難しいですね。京都の美しい風景を紹介することで、少しは景観の保全に役に立っているかも、と自己満足しています。面白くて役に立つコメントをありがとうございました。よいお年を。

投稿: りせ | 2007/12/31 13:24

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