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2008/02/19

京の眺望8 大山崎山荘美術館

     昨日この山荘の小さな滝を紹介しましたが、2階のテラスからの眺めは
     なかなかのものです。

     アサヒビール大山崎山荘美術館は、アサヒビール運営による私立美術館
     である。大阪府と京都府の境にある天王山の山腹、乙訓郡大山崎町に
     位置し、真下に木津川・宇治川・桂川の三川が淀川へと合流する美しい
     風景を見ることができる。いつも通り、説明はWikipediaからの要約です。

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     コレクションの中核は、現アサヒビールの創業者として知られる実業家
     山本為三郎の収集したコレクションである。彼は大正から昭和初期に
     柳宗悦らが提唱した「日本民藝運動」の賛同者であり支援者でもある。

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     大山崎山荘には民芸運動にかかわる河井寛次郎、バーナード・リーチ、
     濱田庄司、富本憲吉、棟方志功、芹沢銈介といった作家たちとの交流の
     中で収集された作品が展示されている。その他の陶磁器・染織・絵画など
     の作品、朝鮮王朝の古陶磁、イギリスのスリップウェアなどの古陶磁と
     いった美術品は、,山本自身が日常愛用したものである。

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     さらに、モネの絵画『睡蓮』連作を複数所有するほか、ヴラマンク、モディ
     リアーニ、クレー、イサム・ノグチ、ジャコメッティ、ムーアなどの近現代
     美術も展示されている。

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     この山荘がなぜアサヒビール運営の美術館となったのでしょうか。

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     大山崎山荘は加賀正太郎という人物の建物だった。1888年、大阪船場の
     株相場師の息子として生まれた彼は、現在の一橋大学を卒業するとイギ
     リスを中心に欧州へ遊学し、アルプスの山々に登頂した日本人のさきがけ
     となった。

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     日本帰国後は証券会社(加賀証券)を設立したほか、1934年にはサント
     リーの前身壽屋で山崎工場を立ち上げたもののオーナーとの路線対立
     から独自でウイスキー製造に乗り出した竹鶴政孝を支援して大日本果汁
     (後のニッカウヰスキー)創立に参加するなど、イギリスから持ち帰った
     モダンな生活様式を日本に定着させようとした。

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     彼は天王山山麓の淀川の流れを見下ろすこの場所に、テムズ川を見下
     ろすウィンザー城の風景を重ねあわせ、ここに山荘を作りたいと考えた。
     1912年に建設に着手、1915年には最初の木造の望楼「白雲楼」が、さらに
     増築を重ね1932年には現在見る本館である「霽景楼(せいけいろう)」が
     完成した。加賀は併設された温室でイギリス時代以来夢中だった洋蘭の
     研究や品種改良を進め、『蘭花譜』という図録を出版し、1954年に死去した。

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     山荘は後に加賀家の手を離れ、様々な所有者の手に移り一時は会員制
     レストランなどに再利用されるが年々老朽化が進み、バブル経済末期には
     建設業者が買収し、一帯を更地に地上げするマンション開発計画を立てた。

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     天王山の横腹に大きなマンション群が林立し景観が一変することに反対
     する地元住民は山荘の価値を見直し、山荘と周囲の森林の保全を訴えた。

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     これが大山崎町や京都府を動かし、さらにアサヒビールの社長樋口廣太
     郎が保存に協力することになった。これには、アサヒビールがニッカウヰ
     スキーを子会社にしており、山本為三郎と加賀正太郎は交友があったこと
     などの縁があった。

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     こうして土地は京都府や大山崎町などが業者から買い取り、山荘はア
     サヒビール運営の山本コレクションの美術館となることが決まり、後には
     安藤忠雄が建築設計・監修に選ばれた。山荘の建物や内装は建設当時
     のクラシックな姿に修復される一方、山荘に付属する形で廊下で結ばれた
     シリンダー状の新展示室は、周囲の自然環境や山荘の落ち着いた調和
     を乱さぬよう、地下に計画された。

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     この山荘へは、JR山崎駅か阪急の大山崎駅から無料の送迎バスが
     出ています。山荘だけあって、終点からもちょっとした登りがあります。

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1 こだわり風景2 (2008)」カテゴリの記事

コメント

こんばんわ、最近コメントさせていただいております。
東京のユキです。
こんな綺麗な美術館があるんですね!!!
感激です。臨場感あり、見ていて楽しいです。
りせさんは表現が素敵です。
お手本にしなきゃ!!!
是非、東京にも遊びにいらしてくださいね!!!

投稿: yuki | 2008/02/19 22:51

今晩は!この風景が見ることができるのは、地元住民の方々のお陰なんですね。美術館の歴史も勉強になりました。綺麗な美術品を見た後は、景色を眺めながらテラスでお茶したいですね!

投稿: shimasi | 2008/02/19 23:17

★yukiさん 遅くなりましたm(_ _)m
「つれづれ編」になってからの写真と記事はほとんど夫がしているのですよ。一緒に行ってますからお返事だけは私がさせていただいています。
落ち着いたステキな美術館です。展示物は洋物の方が似合っているように思います。
東京、行きたいですね。有り難うございます。

投稿: りせ | 2008/02/23 15:43

★shimasiさん お待たせしましたm(_ _)m
あの辺りは開発が激しくて、こんなこともあったのですね。ご苦労が分りました。
テラスでのメニューが少ないのがちょっと残念なのですよ。でも景色は良いですよ~♪

投稿: りせ | 2008/02/23 15:47

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